前回、企業型確定拠出年金に関して記載させていただきましたが、今回は、証券会社の従業員が行う、投資教育という名の洗脳に関してご説明させていただきます。
投資教育は努力義務
企業型確定拠出年金に加入するにあたり、確定拠出年金法 第二十二条 に事業者の責務が明記されており、「資産の運用に関する基礎的な資料の提供その他の必要な措置」を講じなければなりません。
その「措置」の結果が従業員への投資教育という体裁となり、証券会社の社員が実施することが、現在では一般的なようです。
罰則規定のない努力義務のため、その取り組みには企業間で格差があり、回数、頻度等に差が出ているのが実態のようです。投資教育は、その実施時期によって「導入時教育」と「継続教育」に分けられます。
導入時期教育
ほぼすべての事業所で実施されているが、その内容と質、手法に関しては問われないため、1回やって終わりが8割超、手法に関しても事業者側からの一方通行で、e-learning等の双方向教育の導入が待たれるところです。
数値情報
・実施対象 全員対象:94.6% 希望者のみ:5.4%
・実施時間 業務時間内68.9%、時間外16.3%、両方14.8%
・実施回数 1回のみ82.6% 2回 11.7%%、 3回以上 5.7%
・実施手法(実施率、複数回答)
集合研修94.6%、臨時発行物41.7%、ビデオ研修36.5%
企業年金連合会 企業型確定拠出年金 投資教育ハンドブックより抜粋
継続教育
毎年じわじわと数字をあげて、やっと6割超といった段階です。
2013年度:55.2%
2014年度:57.9%
2015年度:60.9%
以下参照いたしました。
確定拠出年金に関する実態調査
2016年度調査
2015年度調査
2014年度調査
教育不足により発生する状況
こういったおざなりの教育では、デフォルト商品のまま運用するケースが相当な比率で発生していると思われます。
会社がお金をくれて、何もしなくても毎月チャリンチャリン(実際はお札レベルですが)と自分の口座のお金が増えていくのはうれしいものですし、良くわからない商品に投資して、金額が目減りするのは残念な気持ちになることは容易に想像が出来ます。
投資の練習という考え方
会社が追加でくれるお金で、大部分の方が60歳まで引き出せない状況を利用して、投資の練習という考え方をしてみてはいかがでしょうか?
練習の中で、金融機関にとって都合の良い商品(信託報酬(手数料)が高い)を買ってみるのも良いですし、デフォルト商品の変化のない状況を認識する事も大事です。また、同僚の評価額が上がってるとの噂で悔しい気持ちになることも必要でしょう。
具体的な商品選択
情報収集
何の知識もなく商品を選んでしまうと、あまり良いことが起きることは容易に予想できます。ですので、当面デフォルト商品のまま、投資について勉強し、投資すべき商品を見極めることが必要だと思います。
ここで重要なことですが、投資に長けた人は詳しい内容を教えてくれないということは認識しておきましょう。
普段から投資を行っている人の大部分は会社には内緒で、しかも必要な確定申告を行ってない場合もあると思います。そういった方が、手の内を見せてくれるとは到底思えません。
よって、ネットの情報(当ブログが参考になれば幸いです)を中心に情報収集をし、自分にとって最適な商品を探すことをお薦めいたします。その結果、少々マイナスになったとしても、長期(数年から30年程度)の投資ですので、少々の失敗は長期の中で取り戻せます。
節税サラリーマンの推薦商品
個人的には海外株式インデックスファンド(ただし時期に注意)一択と思っておりますが、投資タイミングは要注意(最近上昇率が高い)になります。
いかがだったでしょうか?
企業型確定拠出年金が広まっている根拠としては、厚生年金基金等がうまく立ち行かず解散している状況があり、運用リスクを切り離したい事業者側の思惑もあります。
この点、ご参考情報提供できると思いますので、機会がありましたら記載させていただこうと思います。
2017/8/9追記いたしました。