今回は、厚生年金基金が解散したらどうなるか?に関して記載させてただければと思います。
厚生年金基金とは
数値情報
厚生年金基金の数は減り続け、平成18年の658から、平成27年の256への激減しています。
厚生年金基金とは?
「厚生年金基金」は、「厚生年金」と名前が似ているため混同されがちですが、まったく別の制度になります。「厚生年金」は年金制度で言うところの2階にあたり、「厚生年金基金」は3階にあたります。
厚生年金基金には会社単位で加入するため、基金に入っている会社に勤務している従業員だけが加入します。会社員全員が加入する厚生年金とは違い、基金に入っているかどうかは会社次第です。
元々は高度経済成長の時代に、国に支払う厚生年金の保険料の一部を、国ではなく別に作った基金に支払い、それを運用することで、厚生年金より手厚い年金を受け取れるようにする制度でした。
銀行にお金を預けているだけで高金利が期待できた時代にはメリットがあり、厚生年金基金に加入している人は、厚生年金だけを受け取っている人よりも、より多い年金受け取ることが出来ました。
しかしながら、バブル崩壊後の経済の低迷や、超低金利など要因により、期待した運用成績を上げられない基金が続出しました。
厚生年金基金を「たたむ」とは?
ここで言っている「たたむ」とは、財政状態の悪化で予定した年金を支払うことが出来なくなり、厚生年金基金が運用を中止して廃業することです。基金のたたみ方は大まかに下記の2種類があります。
①代行返上
②解散
①代行返上とは?
本来は国の厚生年金の一部で。国が支給すべき年金ですが、保険料を国ではなく基金に集めて運用するという仕組み上、基金が国に代わって(代行)支給する部分です。
「代行返上」とは、基金からこの支給を行うことを打ち切り、今後は国が厚生年金とあわせて支給する方式に変更することを言います。
こちら以外に、「代行部分の運用で得た利益や、通常の厚生年金の事業者負担を超える金額を拠出していた場合」、その金額分は従来どおり、厚生年金基金から支払われます。
②解散とは?
代行部分は上記と同様ですが、基金がなくなるタイミングで、「代行部分の運用で得た利益や、通常の厚生年金の事業者負担を超える金額を拠出していた場合」の、財産があれば一時金として、加入者に分配されます。
節税サラリーマンが一時期勤務していた会社(基金)も同様の手続きを取っており、厚生年金の事業者負担額の一部を厚生年金基金意拠出、運用しておりました。退職に伴い、今後の年金受け取り手続きに関して、厚生年金基金より通知が届いております。
解散したらどうなる?
上記では、制度的なことを中心に記載させていただきましたが、実際のところ、その基金の資産規模により結果はまちまちになります。
運用成績が悪い事態を受けとめ、早めに基金をたたむことを決断してくれれば大きなマイナスはありませんが、年金の支給が難しいから廃業となりますと、代行返上後の財産もわずかとなってしまうと思います。
最大の減額例はこちらのようです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
この低金利時代の手厚い年金という言葉を聞くことはないと思います。
本ブログをご覧いただいた方が厚生年金基金に加入していた場合、年金を支払ってくれるのは、国と、厚生年金基金の二つになる点は覚えておいていただいた方がよいかも知れません。