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年金とは何か?③現在の80%~65%が将来の支給額予測

前回、公的年金の破綻はおそらくないという、節税サラリーマンの考えを述べさせていただきましたが、現在の水準を今後も維持できるか?と考えると、現実的には厳しいかと思います。

今回の記事ではその点を中心にご説明させていただければと思います。

公的年金積立金の枯渇によって起きる状況

積立金の枯渇というと、年金の仕組みそのものが、企業倒産のようになくなってしまうイメージを持ちがちですが、
実際のところ、日本の公的年金は「割賦方式」で運用されているためそのような事態には陥りません。

もちろん、現在の支給水準を今後も維持できるか?という点に関しては、大幅に減額されるという見通しを厚生労働省が示しています。

2014年に実施された公的年金の財務検証

「将来の公的年金の財政見通し(財政検証)」

絡み合う要素が多すぎて、節税サラリーマンには読み解く時間も、自信もありませんでしたので、雑誌記事、ブログ等を参照して、簡単にまとめさせていただきます。

もっとも悲観的な予測(ワーストケース)

公的年金積立金が枯渇した場合に受け取れる年金額は、現役世代の39%程度まで減少する。現在の支給水準は約60%ですので、2/3程度まで減少する見通しです。

ベストケース

現役世代の48%程度まで減少する。現在の支給水準は約60%ですので、4/5程度まで減少するみ見通しです。

それでも公的年金は破綻する?

公的年金制度は将来に向かって、厳しい財政状況が続くことは間違いないですし、節税サラリーマン世代は、現在の高齢者と同じような公的年金受給は望めません。しかしながら、現在の支給額の80%~65%程度が維持される予測は、むしろ明るいニュースと言えるのではないでしょうか?

今まで3回に分けて、年金の説明をさせていただきましたが、「公的年金が破綻する」と言うのはホラーストーリー(※)と思えますし、何かが売れる(過去に売れた実績がある)と言うことなのでしょう。

※の補足
ホラーストーリーは、節税サラリーマン働いているIT業界でよく使われる手法で、「商品Aを導入しないと、こんなことがおこるかもしれませんよ」と、顧客を脅して案件化を狙う手法です。節税サラリーマンも同じマーケティング手法を日々使っている訳です。

現在の若者に向けて

「年金払わない」は得か?

テレビのニュース番組を見ていると、高年世代が公的年金でいかに得をして、中年世代が損得ギリギリ、若年世代はかなりの損と比較されていると思います。世代間の格差は実際に存在しますし、その説明に納得性のある説明を付加することも不可能です。

だからといって、「年金払わない」は短絡的と思います。

将来一定以上の所得を得たいと思っている場合は、公的年金に加入して保険料を支払うほうが得になるケースが多いです。

国民年金:年金の財源の半分は国の税金で負担しています。

仮に、国民年金から離脱すると、
・税金を払っているが、税金から半分負担している国民年金の支給を受けられない。
・年金保険料は所得から所得税等の課税前に控除(差し引かれる)されるために、
税制上のメリットを受けられない。
・自分や家族が、重い病気や、障害を持ってしまった場合に、障害年金を受給できない
のメリットを受けられません。

国は動いてくれないの?

現実に実行可能でもっとも納得性が高い施策としては、現在年金を受給している世代の支給水準を下げ、世代間格差を圧縮することですが、その施策が実行される可能性はかなり低いと思われます。

理由は簡単です。
高齢者にマイナスな施策を実施すると、選挙に勝てないからです。

失礼ながら高齢者は”ヒマ”で”人数が多い”です。

選挙は暇つぶしには最適です。候補者を調べ、井戸端会議で誰に投票するか相談し、実際に投票所へ赴きます。すると、日本人にありがちな同調圧力が働きやすくなり、皆同じ行動を取りがちになります。

節税サラリーマンの自宅近くには、自治体の公民館があるのですが、定期的に政治家が説明会を開いています。こちらも同調圧力を加速します。

若年層はサービス業に従事している方が多く、日曜日に投票所へ赴くことが難しい方も多数いらっしゃるとは思いますが、期日前投票を行うなどして、とにかく投票に行ってください。

若年層の投票率が上がれば上がるほど、政治家(行政側)は若者を無視できなくなり、結果、若者に寄り添った政策が出てくると思います。

話が横道にそれますが、この意見を持った理由は、以前エジプトへ旅行した際に、現地ガイドからある質問をされた時にとっさに口から出た言葉で、今も確信を持って真実だと言える言葉です。

前提となる情報

エジプトの観光ガイドは超難関の国家試験にパスしており、現地ではエリートとみなされます。事実、大学教授や、弁護士からの転身も多いです。さらに、不景気が続いていることもあり、ガイド希望者は増え続け、試験の難度も上がり続けているとのこと。

以下、ホテルロビーでの会話

現地ガイド

「日本人はみんな金持ちだよね。JTBのツアーでは七つ星のホテル(※)に泊まり、数千ドルもするカルトゥーシュを買う人も多い。」

節税サラリーマン

「そんなことないよ。金持ってるのは高齢者だけさ。」

現地ガイド

「じゃあ、あなたも高齢者になれば金持ちか、うらやましいな。」

節税サラリーマン

「俺たちが高齢者になるころには、今の高齢者と同じように金持ちにはなれないね。」

現地ガイド

「なんでだ?」

節税サラリーマン

「俺たちの世代が選挙に行かないからさ。」

現地ガイド

「????」

※の補足
通常、ホテルランクは五つ星までですが、エジプトでは七つ星までランクがあります。節税サラリーマンが泊まっていたのは四つ星。それでも、現地のエリートが結婚式をするくらいのランクです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

本ブログでは、個人型確定拠出年金を中心にご説明しておりますが、その前提となる公的年金制度と、私的年金の課題に関して、ご説明させていただきました。皆様のご参考になれば幸いです。

最後に、過去記載した記事のリンクをご案内いたします。

年金とは何か?①-もらえる年金、自分で増やす年金

年金とは何か?②-公的年金の信頼性、破綻?

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