以前ご紹介した公務員の友人から、iDeCo(個人型確定拠出年金)の資料を金融機関から取り寄せて、商品ランナップの内容と、手数料で金融機関を決めたいけれど、種類が多すぎてどこから確認すればよいかわからないと連絡がありました。
連絡があったのが2017/8/9の昼頃、都内のあまりの暑さにやられ、ビール2時間飲み放題の言葉につられ、のこのこ出かけてきました。
彼の勤務先の最寄り駅から一駅、私の自宅から一駅の好立地で乾杯です。
さて、彼の悩みをまずは箇条書きにします。
①インデックスファンドって本当に、指数と連動するのか?
同じ目標指数のファンドでも、結果に差が出るのではないか?
②新興国市場へ投資するファンドや、アクティブファンドへ投資したほうが、
手数料を割り引いたとしても評価額が増えるのではないか?
③結局のところ、何を基準に選んでいいかわからないので、
選び方の基準をアドバイスしてほしい
節税サラリーマンというブログにまとまってるよ・・・
というわけにもいかず、細かくアドバイスしてきました。
以下にてその回答を記載いたします。
目次
インデックスファンドって本当に、指数と連動するのか?
回答:指数とは基本的に連動する。
大規模なファンドになると、その指数を決定している銘柄のすべて保有した上で、バランスさえも一致させようと努力している。このように目標指数と連動させることで、市場が上向いているのに、自分が保有しているファンドだけは上がらない。といった事態には陥らないように配慮されている。
目標指数のファンドでも、結果に差が出るのではないか?
回答:出ますが、その差は軽微
上記と同様に、ファンドマネージャは、自身が運用するファンドを、なるべく目標指数とあわせるように調整しますが、その処理、具体的には処理したタイミングのギャップにより、若干の差が出る可能性はあります。
何を基準に選んだらいいの?
回答:信託報酬(手数料)
確実な差として存在するのが、ファンドが提示しているのが信託報酬(手数料)になります。こちらを中心に選別することは、最も有効だと考えます。
競馬のように未来を予測することは楽しいかもしれませんが、不確実性を根拠に未来予測をすること無駄を生みやすいと考えます。
同様に、市場の成長予測(リターン)も、ファンドの運用スキル(リターン)も、リスク(※)があるため、いくら考えても正解はわかりません。
※の補足
ここでいっているリスクは、期待値と結果のギャップが多いか少ないかの論点です。
市場の成長予測はニューヨークと、シティでどっちが成長するか?といった話ですし、運用スキルはどこの誰が運用していて、その方の過去の成績を公開することもありませんので、運用の上手い、下手を事前に見分けることは不可能です。
ここで、誤解を生みそうなのが、過去の運用成績を比較するということです。
それらはあくまでも過去の実績に過ぎず、未来の見通し(フォーキャスト)を示しているわけではありません。過去の実績と、将来の予測は、一見関連性がありそうに見えますが、そのような事実はほぼないと考えたほうが無難です。
新興国市場で運用するファンドや、アクティブファンドの方がよいのではないか?
回答:これらは長期投資には向かない。
手数料が高く、安定的収益増を目指しているわけではないため。
・新興国
個人的な意見になってしまいますが、新興国の大きな問題は、その国が発行している通貨の信頼性がいまひとつという点が上げられます。
「中国」は偽札が横行しすぎて、現金決済が減っているですとか、「ブラジル」ではインフレが高い比率で推移しております。
通貨はその国が発行する最大の債権と言い換えることもできますので、上記を引用すると下記のような問題をはらんでいる可能性があります。
中国の債権は、公表されている数値と、実際に発行されている債権量に差があるかもしれません。
ブラジルでは、債権に高い利率が設定されている。ということは信用度の低い債権ともいえます。
また、新興国に投資するファンドも、先進国に投資するファンドも、運用している金融機関(ファンド)は同じ人たちであり、AIの発達により、投資行動が画一化される中、先進国の株価と、新興国の株価に一定の連動性が見られますが、先進国市場と比べてリスクが把握しづらい(相対的に情報が少ない)こともマイナス要素です。
以上が、新興国市場で運用するファンドをお薦めしない理由になります。
・アクティブファンド
アクティブファンドは一つ前の項目で書かせていただいたとおり、ファンドを運用している方たちの上手い、下手の情報が欠落しており、過去実績しか正しい数字の提示がなく、フォーキャストレベルに大きな手数料は支払えないというのが、節税サラリーマンの意見になります。
選び方のアドバイスをしてほしい
回答:iDeCo(個人型確定拠出年金)の投資先は、外国株式インデックスファンド をお薦めしております。
iDeCo(個人型確定拠出年金)に投資することは、かなりの長期間(数年~30数年)、しかも60歳まで引き出すことができません。
評価額を最大限に上げるには、複利のメリットをなるべく多く享受すること。余計な支出(手数料)を抑えることが必要となります。
そうしますと、一時の評価額の急上昇よりも、少しずつ長期にわたって上がり続けるほうがメリットが大きいのは明らかです。
一時の評価額の急上昇が早期に訪れ、その後、外国株式インデックスファンドへ移すという投資センスあふれる方は、より大きな評価額を得ることができると思いますが、そのような方はそう多くないと思います。
また、確定拠出年金向けに用意されている外国株式インデックスファンドは、一般的に販売されている投資信託と比べると、手数料が少なく設定されている場合が多いです。
iDeCo(個人型確定拠出年金)向け資産運用手数料は、業界全体でも安く設定されています。
理由としては、一般的に販売されている投資信託では、運用管理会社が受け取っている手数料の中から、半分程度を「代行手数料」名目で販売会社に支払っているケースが多くあります。
iDeCo(個人型確定拠出年金)では、「代行手数料」が存在しませんので、そのコスト分を下げることが可能です。
長くなりましたので、ポイントをまとめます。
まとめ:iDeCoの手数洋が安い理由
・業界全体で、手数料が安めに設定されている。
・販売会社に支払う「代行手数料」がない。
いかがだったでしょうか?
どうでもいい話ですが、暑かった日のビール(しかもおごり)は格別でした。
ついでに口座はどこに持ってるか?と聞かれました。節税サラリーマンは琉球銀行から、SBI証券への口座移管処理中になります。手数料を下げたいのが最大の理由です。
iDeCo(個人型確定拠出年金)には、一般的に販売されている投資信託とは違う観点でかかる手数料があります。こちらは次回紹介させていただければと思います。