あらためて、「年金」とはなにか?について考えてみたいと思います。
年金とは何か?
大多数の人がまず思い浮かべるのは、「長生きへの備え」だと思います。
日本人の平均寿命は延び続けて(健康寿命は減っているとの情報もあり)おり、年に1~2回、そのようなニュースに触れることもあると思います。
「備え」にもいろいろありますが、「年金」がカバーすることは当然ながら、経済的な部分になります。
経済とひとくくりにしてしまうと、論点がぼんやりしてしまうため、老後への備えのキーワードを、下記の2点に分類したいと思います。
①普通の人 :老後に備えたお金の準備
②超長寿の人:①を使い切った後の生活コスト
順番が、前後しますが、②に関しては公的な保険の仕組みを使って対応することになります。国民年金や厚生年金の老齢年金給付を利用するのが一般的でしょう。
現在の年金制度では、公的年金、私的年金共に、
①に対応する貯蓄、運用機能と、
②に対応する保険機能のどちらか一方、もしくは双方を持っている。
制度としての年金の意義には、「税制的に優遇されていた貯蓄と資産運用」という面がある。iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入者にとっては、こちらの役割を期待しているものと思いますが、こういった意図を持って私的年金を利用している方は、まだまだ少数(最近急増中)だと思います。
現在の日本では、「長生きへの経済的な備え」を担うのは、もっぱら公的年金の役割となっております。
公的年金と、私的年金
年金には、大まかに「公的年金」と、企業年金、または個人年金の「私的年金」が存在します。
このうち、日本における公的年金は、国内に住所のあるすべての人に加入が義務付けられております。その上で、本人の勤務形態と所属によって年金制度が異なります。
公的年金の分類
1)国民年金(1号):自営業者、学生、無職の方など
2)厚生年金(2号):会社員、公務員、私学教職員など
3)国民年金(3号):会社員や公務員の妻など(2号被保険者の被扶養配偶者)
私的年金の種類
本ブログでご紹介している、iDeCo(個人型確定拠出年金)はどなたでも加入可能ですし、保険会社が提供している年金保険も利用可能ですが、これらは情報の入手が容易と思いますので、それ以外の私的年金に関してご案内いたします。
1.自営業者
国民年金基金制度で、国民年金だけでは不足しがちな経済的な備えを厚くします。
2.会社員
厚生年金だけではなく、企業が用意視した年金制度が付加されている場合がある。この企業年金には、確定給付年金や、企業型確定拠出年金がある。
3.公務員、私学教職員
公務員、私学教職員は従来共済年金の加入者でしたが、2015年10月以降、「年金の一元化」の制度改正により、厚生年金に加入することとなりました。
また、かつて「職域加算」と呼ばれた領域の代替手段として、共済組合によって運営される年金制度、通称「新三階」を持っております。さらに、iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入可能となったのは大きな変化です。
確定拠出年金の利用目的
企業型であれ、個人型(iDeCo)であれ、確定拠出年金は「税制的に優遇された貯蓄と資産運用」で、節税が可能な資産運用手段のひとつであり、公的年金の上乗せを狙うひとつの制度になります。
大半の人にとって、老後への経済的な備えは必要です。
そして、老後に備えるなら、税制優遇のある制度を選び、なおかつ優遇制度を最大限に利用することがベストと思います。
同様の内容の資産運用を行おうと考えるのであれば、節税が可能な運用と、節税が不可能な運用では優劣(※)は明らかです。
iDeCo(個人型確定拠出年金)には、制度として利用できる枠組みが既に用意されておりますので、これを使わないのは「もったいない」と思います。
※の補足
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節税が可能な運用と、節税が不可能な運用の比較は、
リンク先記事の③と④で比較しています。
同じ金融商品を、投資信託と、確定拠出年金で、
毎月23,000円ずつ拠出、1年間運用した結果差異をご説明しております。
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まとめ
いかがだったでしょうか?
まずは、公的年金、私的年金の違いに関して、ご理解いただき、
次回以降ご理解を深めていただくため、情報提供させていただければと思います。