以前、iDeCo(個人型確定拠出年金)は高収入の方に、よりメリットがある制度とお伝えしましたが、その記事内にペイオフ(預金保護)に関して少しだけ触れました。
節税サラリーマンのiDeCo(個人型確定拠出年金)評価額は、2017/7現在で約430万です。拠出期間は約10年間ですから、この調子でいけば60歳までに1,000万超えしそうです。
となりますと、ペイオフ(預金保護)の上限金額を超えてしまうことが予想されます。
ちょっとまずいと思い、iDeCo(個人型確定拠出年金)における金融機関破綻リスクを調べてみました。
目次
■金融機関は破綻しないのか?
どんなに経営基盤が磐石な金融期間、大企業であって絶対に倒産しないということはありません。
特にiDeCo(個人型確定拠出年金)のように、数十年という長期にわたり関わりを持つ場合、その期間中に勤務先企業や、関わる金融機関が破綻することは十分に考えられます。
そういった不測の事態に対応するために、影響があるのか?ないのか?影響があるのであればその範囲を、あらかじめ把握しておくことは重要だと思います。
■ペイオフ(預金保護)制度のポイント
金融機関が破綻した際に、ペイオフ(預金保護)の対象となるのは以下の場合です。
※本ブログは、iDeCo(個人型確定拠出年金)を中心にご案内しておりますので、こちらと直接的に関係のない項目は省かせていただいております。
①預金(定期預金など)
元本1,000万円とその利息までが保護される。(預金保険制度)
確定拠出年金以外に、破綻した金融機関に預金があった場合、すべてを合算して1,000万までとなります。
②生命保険
責任準備金等の90%までが保証されます。積み立てた保険金の90%が補償されるわけではありません。
責任準備金とは
「保険会社が将来支払う保険金や、給付金のために積み立てが義務付けられているもの」
③損害保険
保険金・払戻金の90%までが補償される
■破綻、倒産した場合、確定拠出年金の資産は全額保護
1)企業型確定拠出年金に加入していて、勤務先企業が倒産、業績悪化した場合
毎月資金を拠出した時点で、その資産は運営管理機関に移っておりますので、確定拠出年金の資産は全額保護されます。
2)運営管理機関や、資産管理機関が破綻した場合
金融機関の資産と加入者の年金資産は分別管理されているため、年金資産は全額保全されます。
資産管理機関(リンクより抜粋)分別管理を担うという制約から、信託銀行、厚生年金基金、企業年金基金、生命保険会社、損害保険会社、農業協同組合連合会に限定されている。
■全額保護されない可能性があるのは?
投資先商品毎に、状況を確認いたします
1.投資信託
投資信託は販売会社、運用(委託)会社、受託会社など数多くの会社が関わって運営されていますが、そのどこかひとつの会社が破綻したとしても、加入者の年金資産は分別管理されていますので、法制上は全額が保全されます。
2.定期預金
確定拠出年金を運用していると、想定よりも早い段階で1,000万が見えてくると思います。冒頭ご説明した預金保護制度の上限金額に達するということになりますので、対策が必要になります。
確定拠出年金で投資している定期預金と、そのほかの預金を合わせて、1000万円以内に収めるように調整することをお薦めいたします。
■まとめ
・元本保証型を選択する場合、保険ではなく定期預金を選択したほうが良い。
・資産規模が1,000万を超えたら要注意
iDeCo(個人型確定拠出年金)の資産規模が1,000万となった場合で、元本保証型商品を選択する場合は定期預金を選び、同じ金融機関の預金状況を確認のうえ、総額で1,000万を超えない範囲で、スイッチングを行うことがよさそうです。
1金融機関1,000万は原則的な条件のため、キーワードのように覚えたほうがよさそうですね。
いかがだったでしょうか?
余談ですが、昔の上司が突然会社に来なかったことがあり、夕方入った連絡では、住専問題で破綻しそうな金融機関に1,500万預けており、仕事どころではなかったと言っていた話を思い出しました。