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企業の倒産にも種類があるって知ってました?

最近、ニュースになる企業倒産が目につきます。

旅行代理店の「てるみくらぶ」の経営破綻では、既に出国している旅行者に、自力での帰国を促しておりました。

長年、科学雑誌「Newron(ニュートン)」を発行していた「ニュートンプレス」は民事再生手続き開始を申し立てましたし、野党がやたらと取り上げた「森友学園」も民事再生法の適用を申請しております。

実際のところ、企業が事業活動を停止するにはいくつかのパターンがあり、それは経営破綻であったり、
民事再生であったりということがあります。

事業継続が難しくなった企業の行きつく先も、色々な言葉で表現されます。

ニュースでは、「倒産」、「破産」、「民事再生」、「会社更生」といった言葉が使われますが、それぞれの違いに関して正確に理解している方は少ないと思います

過去、「倒産」といわれることが一般的でした、現在は色々なケースが想定され「経営破綻」という言葉を使われることが多いと感じます。

■経営破綻とは

会社の債務(借金)が多くなりすぎて経営が立ち行かなくなった場合、事業そのものは順調でも急激な売り上げ増加により、資金繰りが立ち行かなくて黒字倒産の場合、企業継続ができなくなった場合など、最も広い意味でつかわれるのが経営破綻になります。

そして経営破綻に含まれる、それぞれの状況をまとめたのが下記の図になります。

■破産とは

破産手続きでは、事業継続が難しくなった会社の財産をお金に換えて、債権者(お金を貸している人)に配当を行います。破産手続きが開始されると、債権者が一斉に集められ、破産管財人(弁護士)のもと、債権に対してその程度の割合で配当されることが一方的に通告され、最終的にその会社は消滅します

破産した会社の経営者は、会社の借金の保証人になっていない限り、債務関して個人的に責任を負うことはありません。

■民事再生とは

民事再生では、会社がこのままでは危ないとなった段階で、債務の返済プランを再構築します。

民事再生の申し立てでは、「まだ回復可能な状態」で行いますから、経営者がしばらく居座ることが一般的です。

■会社更生とは(民事再生との違い)

会社更生では、会社がこのままでは危ないとなった段階で、債務の返済プランを再構築します。ここまでは民事再生も同じです。

会社更生の申し立てでは、経営陣が一新されることが一般的です。

経営陣からしたら、民事再生なら居座ることができますが、会社更生になると退任せざるを得ないため、民事再生を選択したいところです。

民事再生では、借金をする際に差し出した担保を競売にかける権利が、債権者(貸し付けた)側に存在します。

会社更生を適用せざるを得ない典型的な例でいえば、工場が1か所しかない製造業の場合など、安易に民事再生することで、工場が競売にかけられ事業継続がさらに難しくなります。

また、会社の合併や、事業の再編には株主総会での合意手続きが必要になりますが、会社更生の場合この手続きを経ずとも事業再編や合併が可能です。

会社更生で立ち直った典型的な例が、日本航空(JAL)の再建です。事業活動の根幹をなす飛行費や、空港内の整備施設などを守り、確実に事業再編を行いませんと、空のインフラのリソース不足の発生が予測されたことから、会社更生を選ぶこととなりました。

■まとめ

いかがだったでしょうか?

かなりわかりづらい説明だったかもしれませんが、下記の4行をご記憶いただけばと思います。

民事再生と会社更生は非常に似ていて、違いが分かりづらいと思います。

一般的には、大企業は企業再生、中堅中小企業は民事再生を選ぶことが多いと思います。

民事再生では「身内の経営者は守れるが、建の手法が限られる。」

会社更生では「身内の経営者には厳しいが、より確実に債権を目指せる。」

のポイントのみ、記憶いただければ幸いです。

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